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「ああ、なんでこんな時に…」初デートの切ない思い出

私は生まれつき胃腸が弱く、極度に緊張したり、ストレスがたまったりすると、下痢をしてしまう体質でした。
子どもの時からそうでした。それが、私をどれだけ悩ませた事でしょう。
その日は、私の人生初のデートの日でした。その日のために、服を選び、バッグも、いつものくたびれた物はしまい、特別な日に使う事にしているちょっといいバッグを出しました。
珍しく、当日になっても私のおなかは静かにしていてくれていました。でも、分かりませんから、いざ、という時のために、おなかの薬も入れておきました。
彼が迎えに来てくれて、二人は出かけました。
朝から繁華街をブラブラ散歩します。彼との楽しい時間に、私はすっかり自分のおなかの事を忘れてしまいました。彼に、
「ねえ、何か喉が乾かない?」と言われて、ハンバーガー店に入り、冷たいジュースを飲みました。
昼には、喫茶店に入り、ごはんを食べました。それからすぐに店を出て、また歩き始めました。
そのまま真っ直ぐ行ったら、神社に続いています。
ここから先は、人通りもぐっと少なくなります。
その時です。私のおなかが何だかしくしく痛み出したのです。
「ちょっとちょっとー!」私はパニックになりました。
せめて、家に帰るまで、彼と、バイバイ、と、手を振るまで、何とか持ちこたえてくれ!と、心の中で必死に自分を励ましながら、耐え続けました。
しかし、痛みはどんどん激しくなって来ます。しかも、今歩いている所は、トイレもありません。
冷や汗が出て来ました。
「ごめんなさい、私、トイレに行きたいから、ちょっと戻ってもいい?」私は、やっとの思いで、彼に頼み繁華街に戻ってもらい、ゲームセンターのトイレに入りました。
出しさえすれば治まると思っていましたが、こういう時に、こういう場所で私のおなかは大爆発して、ずいぶん長い間トイレにこもってしまいました。出て来てからも、完全に調子が悪く、デートは切り上げになりました。彼とも、何となく疎遠になってしまいました。おなかの薬は、飲むのを忘れて、家でバッグから出てきた時に、ああ、何であの時これに気が付かなかったのか!と、悔やみました。
切ない初デートの思い出です。