好きな人と両想いになるって本当にすごいことだと思う。

好きな人と両想いになるって本当にすごいことだと思う。私は大人になっても恋に恋する夢見る夢子で、男の人を好きにはなるのだが、アイドルの追っかけの延長のような感じで好きやカッコいいと思った人に好きと言ったり、付き合ったりすることはなかった。付き合う人は皆一様に≪いい人≫ばかりで異性として好きではなかった。

そんな私が大人になってから手の届く異性として好きになったのは、韓国からの留学生の彼だった。

その日私は友人と三人で焼肉店へ食事に行った。

少し嫌なことがあった私たちは三人共、グデングデンになるまで飲んでいた。グデングデンだけど、気分はすこぶる良く、嫌な気分をお酒でこんなにとばせるんだと上機嫌だった。友人の一人が店員の男性に私たちの誰が一番美人ですかとかいう質問をし始めて、酔いながらもくだらないなぁと思いながら笑っていた。

その時ちょうどバイトを終えて帰ろうとしている店員の男性がいて友人がそっちの人にも聞いてみてと言ったので、酔っ払っていた私は普段絶対にしないのに腕を掴んで私たちの中で誰が一番美人ですかと話しかけた。

その男性はイヤホンで音楽を聴いていて、私はそれすら酔って見えていなかった。彼は「ナンデスカ?」と片言の日本語でこちらを見てイヤホンを外した。

あ、しまった。この人結構好みの顔だ。普段ならこんな風に話しかける対象じゃない。そう思ったけど遅かった。「ゴメン、ワカンナカッタ。モッカイイッテ?」彼にこう言われて、三人の中で誰が一番美人ですかとさっきとは別人のように小声でつぶやいた。私が小声だったので彼は耳を私に近づけた。結構好みの顔の男性がこんな近くに来て、お酒も入っていて私は心臓をバックバックならしていた。

すると彼は耳を近づけたその距離で顔を私の真正面に向け「キミイチバンビジンダヨ。」と言った。私が一番近かったからそう言ったのだろうけど、私はその一言で恋に落ちてしまった。夢見る夢子は単純です。

そのあとそのお店に通っているうちにどんなミラクルか、彼から「カレカノナッテ。」と言われたが、好みの男性にビビり、日本人じゃない外国の人ということにビビった私が咄嗟に答えた言葉は、ペットにしてくださいだった。チキンすぎる自分が情けなかった。彼から「イヌジャナイヨ、ムリ。」と言われ赤面したのは今となってはいい思い出だ。